オンラインの「個人の感想」や「体験談」:信頼性を確かめるための3つの視点
インターネット上には、日々の生活を豊かにするための情報が数多く溢れています。特に、商品やサービスのレビュー、健康法、旅行体験など、個人の「感想」や「体験談」は、私たちにとって身近で、参考にしやすい情報源であると感じられるかもしれません。しかし、中には誤解を招くものや、特定の意図を持って作られた情報も存在します。
大切なご家族のためにも、情報の真偽を見極め、適切に活用する力を身につけることは、現代において非常に重要です。ここでは、オンラインで見かける「個人の感想」や「体験談」の信頼性を客観的に判断するための、具体的な3つの視点をご紹介いたします。
視点1:発信者の背景を確認する
ある情報に触れた際、まずその情報の発信者がどのような人物なのか、少し立ち止まって背景を考えてみることが大切です。
例えば、発信者が特定の製品やサービスの関係者ではないか、過去にどのような情報を発信しているかなどです。SNSのプロフィール情報や過去の投稿を少し遡って確認するだけでも、発信者の傾向や専門性、あるいは特定の意見に偏りがあるかどうかの手がかりが見えてくることがあります。
匿名の情報や、極端に特定の意見ばかりを強調するアカウントからの情報については、より慎重に受け止める姿勢が求められます。信頼できる発信者からの情報は、その情報自体の信頼性を高める一つの要素となります。
視点2:客観的な裏付けを探す
個人の体験談は、あくまで「その人自身の経験」に基づいたものです。それが普遍的な事実や科学的な根拠に基づいているかどうかを確認することが、情報の信頼性を判断する上で非常に重要になります。
例えば、「〇〇を食べたらすぐに痩せた」「この方法で病気が治った」といった体験談は、個人的な感想であり、全ての人に同じ効果があるとは限りません。特に健康や医療に関する情報は、個人の体験だけでなく、必ず信頼できる情報源(公的機関、専門家のウェブサイト、複数のニュースメディアなど)で、同様の事実が報告されているか、科学的な研究結果や統計データなどで裏付けがあるかを探してみましょう。
個人の体験談はあくまで参考とし、公的な情報や専門機関の見解と照らし合わせることで、より正確な情報を得ることが可能になります。
視点3:複数の視点から情報を比較する
一つの情報源だけに頼るのではなく、様々な意見や視点に触れることで、情報の全体像をより正確に把握することができます。
その商品やサービス、テーマに関して、肯定的な意見だけでなく、否定的な意見や異なる見解も探してみることが大切です。例えば、ある商品のレビューを見る際には、評価が高い意見だけでなく、低い意見にも目を通すことで、よりバランスの取れた全体像が見えてきます。
SNSなどで同じような情報ばかりが目につく場合でも、あえて別のキーワードで検索したり、異なるニュースサイトやブログを参照したりすることで、偏った情報に流されることを防ぎ、多角的な視点から情報を評価する力を養うことができます。
まとめ
情報の真偽を判断するスキルは、インターネットが当たり前になった現代社会において、日常生活で非常に役立つ大切な能力です。
オンラインの「個人の感想」や「体験談」に接する際は、「誰が発信しているか」「客観的な裏付けがあるか」「他の情報と比べてどうか」という3つの視点から冷静に情報を分析してみてください。
これらの視点を持つことで、情報の海に流されることなく、ご自身やご家族にとって本当に役立つ情報を選び取り、自信を持って判断できるようになるでしょう。